耐熱・断熱性

腐食性ガス雰囲気では溶射皮膜から基材にガスが達し、基材が酸化や腐食などを起こしして皮膜を剥離させるので、耐酸化性及び耐食性に富む材料を下地溶射しておく対策が必要です。

又、基材と溶射皮膜の線膨張係数の差が重要であり、金属基材と皮膜の線膨張係数の差が小さいと界面での応力は低くなり、剥離や割れが発生しにくくなります。

線膨張係数とは?

温度の上昇によって物体の長さ・体積が膨張する割合を、1K(℃)当たりで示したものである

各種材料の線膨張係数

  線膨張係数(×10ー5/℃)
軟鋼 11.16
鋳鋼 11.55
マルテンサイト系ステンレス鋼 11
オーステナイト系ステンレス鋼 17.1
アルミナ 8~9
ジルコニア 10
タングステン 4.3
ニッケル・アルミニウム 15
ニッケル・クロミニウム 18
タングステンカーバイド 7.0~8.5
16.5

溶射材料例

耐熱合金 基本元素(Ni・Co)、酸化膜形成元素(Cr・Al)、酸化膜を維持する物質から成り高温で安定
タングステン 金属のうち最も融点が高く科学的に安定している
ニッケル・アルミニウム 800℃までの温度で耐酸化性を有する
ニッケル・クロミニウム 980℃までの温度で耐酸化性と耐ガス腐食性を有する
アルミナ ふっ酸以外の全てのガスに抵抗性が強く、酸化性及び強い還元性雰囲気中で安定する
安定化ジルコニア 高温雰囲気において安定しており、熱伝導率が低く又、線膨張係数は比較的金属基材に近く、界面での応力は低くなり剥離、割れが発生しにくい(TBC:Themal Barrier Coatingに用いられる)